料理が趣味の人なら、一つは持っていたい鉄のフライパン。
あらゆる鉄フライパンのレビューを読んで、結局どれを買ってよいかわからなくなることも多いでしょう。
我が家の鉄フライパンは、鉄フライパン界でも人気メーカの一つである、Turkのクラシックフライパン(28㎝)です。
重くて、でかくて、でも愛おしい。Turkのフライパンを日常使いするメリットと、その使い心地をレビューします。
Contents
我が家がTurkの鉄フライパンにした理由
1.テフロン加工(フッ素樹脂加工)のフライパンが色々限界だったから
我が家でもともと使っていたのは旦那が独身時代に購入した、何の変哲もないテフロン加工のフライパンでした。
すでにテフロン加工の面影はなくなり、卵焼きを焼く度に焦げ付き、ストレスフルな状態で、このまま使い続けるのは無理だと判断しました。
新しいフライパンの購入にあたり、いろいろと調べていると、テフロン加工が持つのは数年と知ります。
しかも「強火、空焚きは禁止」、「フッ素加工が剥がれ、発がん性物質を摂取」「金属のフライ返しなどの調理器具禁止」などテフロン加工は制約だらけ。
それならいっそ、と前から興味の合った鉄フライパンに挑戦することにしたのです。
2.それならキャンプに持っていってテンションの上がるものを
鉄のフライパンにも、中華鍋寄りのフライパン、日本製のこだわりのフライパン、料理研究家おすすめのフライパンなどなど、いろいろとジャンルがあるのですが、私に結局刺さったのは、キャンプ映えするフライパンでした。
キャンプ道具になると、お財布の紐が緩むというのもあるのですが、普段使いもできて、キャンプにも持っていける、というのがコスパがよく感じられた、というのもあります。
そもそもTurkのクラシックフライパンとは?
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Turk社は、1857年にドイツで鍛冶職人アルバート=カール・タークによって創業されました。ドイツの鉄製品製造の中心地であるルール地方で、代々熟練した技術を受け継ぐ職人によってクラシックなフライパンを作り続けています。
鉄の塊を真っ赤に熱して叩き伸ばして鋳造されるフライパンは、強靭でつなぎ目がなく、半永久的に使えるフライパンとして世界に知られています。
Turkのクラシックフライパンは、熱のまわりがよく、蓄熱性にすぐれ、食材の持ち味をじっくり引き出しながら、安定した調理を実現してくれます。
無骨で荒々しいイメージのフライパンですが、使い込むほどに油が馴染み、鍋肌も艶を増し味わい深くなっていく、まさに育てる鉄フライパンです。
とにかく男前でかっこいい、絵になるフライパン
通販で購入したのですが、届いた時の第一印象はとにかく重い。
28㎝のクラシックフライパンの重さは1.9㎏。何も入ってないときには片手で持てますが、食材を入れたらまず女性の手で片手で持ち運びは無理ではないかと思います。
日本の正規取扱店はお値段がよかったので、並行輸入品を購入しましたが、柄の部分にシールと、鍋に直接パンフレットがはられており、ラフな感じが逆にかっこよかったです。ものによってはすでに時点で購入時点でちょっと赤錆がでていたりするものもあるようですが、我が家にきたTurkには不具合はありませんでした。
青空の下で見るTurkのフライパンは文句なしにかっこいいです。(下は残念ながらカセットコンロですが…)
キャンプ気分が上がるアイテム選びはやっぱり大事です。キャンプに限らず、自分で使っていて心地よい道具選びは、料理や家事のモチベーションを上げてくれるので、購入の際に自分が使って楽しいかどうかを考えるって、大切なことだと考えています。
3.Turk以外に検討した鉄フライパン
Turk以外には、先に鉄フライパンデビューしていた友達から勧められた日本橋木屋さんの打出しフライパンを検討していました。
我が家のTurkより2cmほど直径の小さい26cmのもので、重さは約1kgほど。悩んだ20cmのもので、約600gです。Turkと同じように柄が一体型で耐久性も高く、叩き鍛えて作られた鍛鉄のフライパンです。
キャンプで外に持ち出したりという需要がなければ、お値段や重さの面でこちらを購入していたと思います。
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よく言われる鉄フライパンのデメリット。本当に扱いは大変?
鉄フライパンでよく言われるデメリット。焼き慣らしが必要、慣れるまでこびりつく、洗剤が使えない、錆びる、そして重い。
ほぼ毎日、普段使いのフライパンとして使っている我が家ですが、デメリットを感じる部分ももちろんあるので、この部分について検証してみます。
Turkのクラシックフライパンは使い始めに焼き慣らしは必須
使い始めの焼き慣らし作業は必須です。鉄フライパンではlodgeのように特殊なシーズニング済みのフライパン以外はみんな焼き慣らしが必要になっています。
焼き慣らしの仕方はこちらの動画で丁寧に紹介されています。
基本的には洗剤でよく洗ったあと、多めの油で野菜クズと塩を10分ほど煮炒めて、終わったら油を捨ててお湯で洗い、また火にかけ水分を飛ばすだけです。最初に錆びっぽいフライパンだったら、金ダワシなどを使って錆びを落としてからやりましょう。
塩を入れる理由は、焦げつきにくくするためだそうです。
スキレットや土鍋でも、シーズニングや目止めの作業が必要だったりと、ちゃんと使おうとすると表面加工のない本格的な道具は事前準備が必要なものが多いですね。
初めて使う前に、物を大切にするため、よりよく使うための儀式のようなものだと思うと、結構ワクワクしてわたしは好きな作業です。
今でも揚げ物をした後や長ネギを使った時などに、大量の油と野菜クズがあるときは、メンテナンスを兼ねてたまに焼き慣らしの作業をしてやることがあります。
普段使いしてれば油は回っているので必ず必要な作業ではないですが、水分の量が多い料理などをした後はしてあげると次に使う時こびりつきにくく、スッキリ使える気がします。めちゃくちゃ焦がした時や、焦げクセが着いてしまった時、うまく使えなくなった時には、一回リセットするつもりでやってあげると良いと思います。
上手な使い方をすればこびりつくことはない
最初に焼き慣らしを行った鉄フライパンは、多めの油を使って調理する、という原則を守れば焦げつきません。
煙がたつくらいに空焼きしたフライパンに多めの油をいれて、鍋肌に油を回した後、油ポットに油を戻すか、キッチンペーパーで軽く拭き、今度は中弱火にしてから食材を入れます。煙が出ている状態で食材を入れると焦げついてしまうので、一回火加減を落とすのが大切です。
使い終わったらすぐに給湯器のお湯を出してたわしで洗い、火にかけて水気を飛ばすだけで普段のお手入れは完了です。
洗剤は使って大丈夫
よく鉄フライパンに洗剤は厳禁という話が上がりますが、絶対に洗剤で洗ってはいけないというわけではありません。
ただ普段使いをしている分には、使ってすぐお湯でたわしを使ってザザッと洗うだけで汚れは落ちてくれます。洗剤を使ってスポンジでこすってから泡を洗い流すことを考えたら、むしろ楽かもしれません。
匂いが気になるようなベタベタしたものを作った時などで、洗剤を使って洗いたかったら洗ってしまっても大丈夫です。毎日のように使っていれば油膜は少し洗ったぐらいでは落ちないですし、落ちてしまったとしても洗った後、火にかけて水分を飛ばしてから油を塗っておけば次に使う時にこびりついて困ることもありません。
錆びることは滅多にない
水分が残ったまま放置をすれば、鉄なので当然錆びます。が、普段から使っていれば錆びが出るほど放置することはないのではないでしょうか。
錆び対策はとにかく使い終わったらすぐ洗い、火にかけて水分を飛ばすことにつきます。わたしも使用後はもう無意識でやるくらい早く洗って火にかけてます。
作った料理をお皿に盛り付ける→そのまま流しに持っていって熱いうちに給湯器からお湯を出してたわしで軽く洗う→汚れが落ちたらすぐコンロへ乗せ火をかける→その間に作った料理を食卓へ→そうしているうちに水分が飛ぶので火を消してから食事にする。
こうすれば錆びることもないうえに、ぐっちゃりとしたフライパンを食べ終わった後に片付けなきゃならないストレスもなくスムーズに家事が進みますよ。
万が一放置してしまって錆びが出たら、金ダワシを使ってゴシゴシと洗ってしまいましょう。錆びが取れるまでピカピカにしたら、また焼き慣らしの作業をすれば、鉄フライパンは元に戻ります。
重いのは本当
Turkを普段使いしていれば慣れるかと思いましたが、重いものは重いです。これはもう慣れの問題ではありませんでした 笑。
ただ、盛り付けはトングを使うなど工夫をすれば大丈夫です。
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フライパンを傾けてザザッと盛り付けはできませんが、お皿をコンロに寄せて、トングで中身をさらって入れたら全然問題ありません。残ったソースぐらいなら、フライパンを傾けて入れることもできます。
28cmの大きなクラシックフライパンだからこの重さというのもあるので、もう少し小さいサイズであればこの問題はなさそうです。
また、わたしは鉄板料理を良くTurkでするのでフライパンのまま食卓に乗せることも多いです。この場合は盛り付けも不要なので、両手で普通にフライパンを持って食卓にそのままサーブしてしまえば、主役級の見栄えのご飯になります。
鉄フライパンはおおらかな気持ちで使って大丈夫
メンテナンスが大変、使いこなせないというイメージを持たれがちな鉄フライパンですが、表面加工などをしていない分焦げついちゃったらガンガン金ダワシで洗う、金属製のターナーでガシガシ肉をひっくり返すなんてことをしても全然平気です。元を辿れば鉄をひたすら叩いて鍛えた頑丈な鉄板です。細かいことは気にせず使って、焦げたり錆びたりでダメにしてしまったら磨き直して焼き慣らすところからまた始めれば大丈夫。一生もののフライパンという肩書きを信じましょう。
Turkのフライパンでできる美味しい料理
フライパンなので、細かいことは考えず何かを焼いたりするときに使えばいいのですが、鉄フライパンで焼くとやっぱ違うね!と感じられる料理があります。
鉄フライパンは蓄熱性にすぐれていて、食材の持ち味をじっくり引き出してくれる力があります。バーベキューしたり鉄板で焼いたり、中華鍋で作ったら味が違う!というもの多いですよね。そういったものはだいたい得意です 笑。
まずはステーキ!ハンバーグ!
鉄のフライパンを手に入れたら、まず肉を焼きますよね。テフロン加工の強火厳禁なフライパンでは絶対できないお店の味に普通の肉がランクアップします。
熱々をそのまま食卓に出したい餃子
鉄鍋餃子というくらいだからもちろん餃子も得意です。蒸らす用の蓋は我が家ではティファールについてた汎用性の高い蓋を使用しています。フライパンサイズに合ってれば蓋はなんでもOKです。カリカリモチモチの餃子は止まらない美味しさです。
粉物はもちろん大得意!お好み焼き
ホットプレートはもういらないです。カセットコンロの上にTurkを乗っけてその場で焼いても、食卓にそのまま出してもOK。もんじゃ焼きも縁が立っているので土手を作ってドーナツ型にする必要もありません。フライパンで美味しく仕上がります。
確実にグレードアップするチャーハン
卵とご飯を先に混ぜたり、ご飯を洗ってみたりというあらゆる家庭で炒飯を美味しく作る裏技は不要に。いつものようにTurkに多めに油を引いて、レンジでチンしたご飯をガンガンターナーでほぐして、ちょっと放っておいて混ぜるだけでパラパラに。フライパンだけだ味が変わるをリアルに感じたければ炒飯を作ってみるのがおすすめです。
もちろんデザートも得意。一度は焼きたいパンケーキ
鉄フライパンでパンケーキ、もTurkを手に入れたらやりたいことのひとつですよね。
じっくり均一に火が入るので、綺麗な焼き目のパンケーキができます。同じようにクレープも得意ですよ。カセットコンロにTurkを乗せて、クレープパーティも楽しいです。
買ってよかったものランキングに入れるフライパン
料理がワンランクアップする、楽しくなる、キャンプテンションが上がると、買っていいことだらけだったTurkのクラシックフライパン。自信を持っておすすめできる一品です。
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それでも新しいフライパンを買う理由
Turkに大満足して、毎日のように使っていますが、それでもそろそろもう一つ新しいフライパンを買う予定でいます。
その理由は「フライパンひとつで味が変わる」と知ってしまったこと。
料理に合ったフライパンを使うことで、味もかわるしメンテナンス性も変わりますよね。フライパンのサイズでも料理の効率は変わります。
Turkは鉄板でできる美味しい料理を作るのは得意ですが、日本によくある炒めた後煮る料理や、トマトをよく使うパスタなどはそんなに得意ではありません。(トマトの酸でせっかくの油膜が剥がれてまた焼き慣らしが必要になる可能性があります)Turkで作るナポリタンは美味しいですけどね 笑。
なので炒め煮やパスタ、オムレツ(28cm Turkだと重くて大変)を作るために、そろそろ28cmより少し小さめの使いやすいフライパンをひとつ買い足そうかと検討中です。
最有力候補は、業務用アルミ鍋・フライパンで有名な中尾アルミさんのシルクフライパン。
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アルミフライパンであり、かつフッ素コーティングされていて、お手入れが簡単になっています。軽くて炒め煮やパスタが得意なこのフライパンなら、Turkで足りない部分をうまく補ってくれる予感がします。また購入したら、レビューをあげたいと思います。
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