モロッコを代表するお土産のひとつであるバブーシュ。
わたしもモロッコ土産に現地で買ってきて愛用しているのですが、その柔らかな革の感触が心地よく、素肌で歩くよりも気持ちいいため、家ではずっとバブーシュを履いています。
今では日本の雑貨屋さんやインテリアショップでも見かけるようになったバブーシュですが、これから買われる方はぜひ、モロッコ産の革製バブーシュを探してみてください。きっとその履き心地に心奪われるはずです。
バブーシュとは何かから、普段使いするメリット、メンテナンス方法と、おすすめのバブーシュをご紹介します。
Contents
バブーシュとは?
バブーシュとは、ペルシャ語の『足を覆うもの』という語源をもつ、モロッコの伝統的な履物です。
ヤギやヒツジ、ラクダやウシなどの革を使用して作られており、鮮やかな色に染められた革の履物に、色とりどりの刺繍や、タッセルなどの装飾がつけられているものが多いです。
モロッコのメディナと呼ばれる旧市街には、入り組むように市場(スーク)がありますが、その中でも目を惹くのが色とりどりのバブーシュを並べる履物屋さんです。
またフェスという街のメディナの中には、タンネリという、大きな皮なめし場があり、まるで巨大な絵の具のパレットのような場所でたくさんの人が革を染めるために働いています。
モロッコの人の生活に密着した革製品であるバブーシュは、スークの中で皮なめしから始まり、職人の手でひとつひとつ作られて販売されているのです。
中履きのバブーシュと外履きのバブーシュ
バブーシュには、室内でスリッパのようにして履く中履きのバブーシュと、屋外用の外履きのバブーシュがあります。
日本でも最近、外で履けるバブーシュが販売されていますが、その大きな違いは靴底の厚みと強度、そしてアッパーとの縫い合わせかたです。外で履くバブーシュは、当然ごつごつとした道を歩くために革も厚く作られています。モロッコの人がジュラバという民族衣装で出歩く際は、外履きのバブーシュを履いていることが多いのです。
中履き用のバブーシュはその逆で革も柔らかく、足への当たりが良くなっています。
家でスリッパ使いするときは、中履き用のバブーシュを履きましょう。
つま先が尖ったバブーシュと、丸いバブーシュ
バブーシュには、つま先が尖ったバブーシュと、つま先の丸いバブーシュがあります。
日本で一般的なのはつま先が丸いバブーシュですが、モロッコで多いのはつま先の尖ったバブーシュで、男性がジュラバに合わせて履いているのもこちらのタイプになります。
どちらも内履きできるタイプのものもあるので、部屋でスリッパの代わりに履く場合は部屋の雰囲気や、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
バブーシュをスリッパとして履くメリット
1.冬でも寒くない
バブーシュを履いて過ごしていると、フローリングでも直に歩かないため、底冷えしても寒くありません。
2.夏でもさらっとした履き心地
夏にふかふかのスリッパを履くのは抵抗がありますが、夏でも革製なのでさらっとした履き心地で快適に使うことができます。
3.足を包まれる心地よさ
「足を覆うもの」の語源の通り、使い込んだバブーシュは足にぴったりとフィットして包んでくれるのでとても心地よいです。その履き心地を体感するためにも、バブーシュを購入する際は足のサイズにきちんとあったものを選びましょう。
バブーシュの選び方
1.デザインを選ぶ
まずは気に入ったものを探すのが一番です。バブーシュのデザインを選びましょう。バブーシュには大きく分けてつま先の尖ったものと丸いものがあります。また、革も柔らかい羊革のもの、スエード調のものなどさまざまです。
デザインもシンプルな革のみのものから、刺繍が施されたもの、タッセルのついたもの、くるみボタンのようなサブラボタンがついたもの、スパンコールなどが施されたものもあります。
「ファティマの手」と呼ばれるイスラムの伝統的なモチーフが施されたものも珍しくて可愛いですよ。
2.サイズを選ぶ
バブーシュには普通のスリッパと違い、細かくサイズが分かれています。バブーシュの履き心地の良さを体感するには、サイズ感は重要です。
靴を選ぶように、サイズもきちんと見て選んでくださいね。
3.産地に注意
一部では(モロッコで購入しても)中国製などのバブーシュが出回っています。中国製のバブーシュは工場で大量生産されているものなので、履き心地があまり良くありません。
多少値段が張っても、モロッコ製のバブーシュを選ぶようにしましょう。
バブーシュのメンテナンス方法
バブーシュを長持ちさせるためにも、お手入れ方法を知っておきましょう。
1.臭いがきついときは
買ったばかりのバブーシュは独特の匂いがします。これは革なめしをするときのなめし液の匂いです。革なめしを行うタンネリもこの独特な匂いがするため、見学の際にはミントの香りを嗅ぎながら見ることになります。
いわばバブーシュのにおいは本物の証拠でもあるのです。
匂いが気になるバブーシュは風通しの良いところで陰干しをしましょう。重曹や木炭など、匂いを吸収してくれるものをそばに置いておくのも早く匂いが気にならなくなります。あまりにも匂いがきつすぎて履いていられないということでなければ、しばらく使用しているうちに、自然に気にならなくなります。バブーシュが臭かったからといってしまいこまずに、たくさん使ってあげましょう。
2.保管方法
バブーシュは革製品のため、湿気が苦手です。カビの生えることのないよう、保管する際は風通しの良いところに置くようにしましょう。大事だからといってしまい込んでしまうよりも、デザインも可愛いものが多いので、湿気の少ない場所に飾っておくのもおすすめです。
3.普段のお手入れ
バブーシュの普段のお手入れは、革製なので水濡れに注意して、乾拭きをしておきましょう。革が乾燥していそうであれば、革用クリームを使うのもおすすめです。変色などの可能性があるので、はじめは目立たないところで試してから使ってみるようにしましょう。
4.汚れてしまったら
ひどい汚れがついた場合は、汚してすぐなら濡れ雑巾で優しく拭ってみましょう。ごしごしこすると風合いが失われたり、装飾が取れてしまうこともあります。
乾いた汚れはメラミンスポンジや、消しゴムで落ちることもありますが、色ごと削れてしまうこともあるので、これも目立たないところで試しながら行ってください。
大切に履いてあげれば、普通のスリッパよりも長持ちすることもあるバブーシュ。定期的にメンテナンスして、大事にしたいですね。
見ているだけでも可愛い!おすすめのバブーシュ10選
いつまでも眺めていたくなるような定番のデザインのバブーシュを中心に、可愛らしいおすすめバブーシュを集めました。
スパンコールが使われたカラフルバブーシュ
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スパンコールと刺繍をあしらわれた丸みを帯びたかたちのバブーシュは、これぞ定番と言えるデザインのバブーシュで、現地でもたくさん取り扱われています。
キラキラと輝くスパンコールと繊細な刺繍のデザインはいつでも可愛くて、家で普段使いしてもテンションが上がること間違いなしです。
こちらはお求めやすい価格ながら、モロッコの職人さんお手製で作られており、サイズ展開も豊富です。柔らかな天然の山羊革を使用しているので、バブーシュの良さである足を包まれる心地よさを感じられます。
バブーシュデビューにおすすめの一足です。
伝統的なサブラ刺繍のバブーシュ
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モロッコの伝統的な柄を、「モロッカン・シルク」とも呼ばれる光沢のあるサボテンの繊維でできたサブラ糸で刺繍してあるバブーシュです。図案も可愛く、サブラ糸の光沢が高級感をかもし出してくれます。
スパンコールが入ったものよりも落ち着いた印象になるので、白や黒系の色味を選べば、シックなインテリアのお家でも似合いそうです。革は羊革で、インソールにも、ソールにもレザーを使用しているので足に優しくフィットして、パタパタという音も立ちません。
カラーバリエーションも豊富なので気分に合わせて変えたり、お客様用に何足か集めておくのもおすすめです。
シンプルな無地のバブーシュ
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シンプルな無地のバブーシュなら、男性でも使いやすく、どんなインテリアにも合わせやすいのでおすすめです。
こちらはサイズ展開が3種類あり、レディース用(〜25センチ)、メンズM(〜26.5センチ)メンズL(〜27.5センチ)になっています。バブーシュを心地よく履くためにもサイズ感は大切です。ぴったりか、少し小さめを選ぶと良いでしょう。無地でもカラーバリエーションはたくさんあるので好みのものが見つかりそうです。
専用の不織布ケースをつけてくれるので、持ち歩きにも便利です。授業参観日や旅行に持って行くのも良いですね。
華美な装飾はいらないからバブーシュの履き心地を楽しみたい、という方におすすめの一足です。
モロッコの定番とんがりバブーシュ
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モロッコでは定番のつま先の尖ったタイプのバブーシュです。日本では逆にスリッパはみんなつま先が丸いので、すこし変わったバブーシュもいいかも、という方におすすめです。甲の部分もV字形で、シャープな印象になるので、足を綺麗に見せてくれる効果もあります。
こちらも羊革でできているので、履けば履くほど足に馴染み、バブーシュを自分のものに育てる楽しみを味わえますよ。
ふさふさのかわいいタッセル付きバブーシュ
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ボリューミーなタッセルが歩くたびにゆれてかわいいバブーシュです。ディアモロッコという、マラケシュに本社におくモロッコ雑貨やさんの商品で、どれもこれも可愛くて目移りしてしまいます。
もちろん品質もよく、本物の羊革を使用しているので、使うほどに足に馴染みます。
カラフルなものの多いバブーシュの中でも、落ち着いた色合いを取り揃えており、大人っぽさが魅力のバブーシュですね。
サブラボタンのボンボンがかわいいバブーシュ
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サブラ糸でできた小さなボタンのついたかわいいカラフルなバブーシュです。ならんだボンボンのようなボタンがエスニック雑貨の雰囲気を出してくれています。
こちらのメーカーさんは豊富なサイズ展開がとても魅力的です。やはりバブーシュは足にぴったりフィットしてこそ最大の心地よさを味わえるというものです。
やわらかな山羊革が心地よく、一度履いたらやみつきなので、リピート買いしている人も多いようですね。お値段もお安く、匂いがきつすぎて合わない人には1週間以内なら返品も可能だそうですので、気になっている人はまず試してみるのが良いでしょう。
スパンコールと刺繍の色使いが綺麗なバブーシュ
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伝統的なサブラ刺繍とスパンコールの定番バブーシュですが、色使いがとても綺麗で大人っぽい魅力のあるデザインになっています。こちらのメーカーさんは、従来品に比べてバブーシュ特有のにおいを軽減する努力をされています。もちろん100%羊革を使用しています。
本物の革製のバブーシュが欲しいけど、匂いがきつすぎたらどうしよう、と悩んでいる方にはおすすめのバブーシュです。
ディアモロッコのスフィファ付きキラキラバブーシュ
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スフィファとは、カフタンドレスというモロッコの伝統的な結婚衣装につけるレースのような縁飾りのことです。
ゴージャスな雰囲気のあるスフィファをスエード調生地に合わせたバブーシュはかわいさをぎゅっと詰め込んだような愛おしさがあります。
甲部分はスエード調の記事ですが、底や中側は羊革で作られているので、バブーシュらしい柔らかな履き心地はそのままに、おしゃれなデザインを楽しめます。
たっぷりビーズのキラキラバブーシュ
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刺繍部分にまですべてにビジューがあしらわれ、スパンコールも輝くゴージャスなバブーシュです。たっぷりしたビーズであしらわれたモロッコらしい図案がまたかわいいですね。
革の色に合わせてビーズとスパンコールを同じ色で揃えているタイプと、さまざまな色のカラフルなスパンコールを散りばめて作られたマルチタイプがあり、どちらも違った可愛さがあります。
こちらのメーカーさんはにおい軽減タイプのメーカーさんなので、バブーシュのきついにおいが気になる人も安心して購入できますよ。
子供用にも本格派キラキラキッズバブーシュ
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19cm前後の小さいサイズのバブーシュです。小学生で、お母さんとお揃いのバブーシュが欲しい子にぴったりの可愛いキラキラのバブーシュですね。親子でお揃いコーデをしたり、メンズ用のバブーシュもあるので、家族みんなで使えそうです。
本場モロッコにはもっと小さいサイズのバブーシュもあったので、サイズ違いやデザイン違いを探してみて、お子さんにぴったりのバブーシュを見つけてみてあげてくださいね。
一度履いたらやみつきの心地よさ!バブーシュをもっと身近に使おう
何足でも持ちたくなる可愛さのバブーシュですが、旅行用を揃えたり、お客様用を揃えて玄関に籠をおいて飾ったりしてもいいですよね。わたしもまだまだサイズ違いでお客様用を揃えたいと思っています。
夏は涼しく冬は温かい、バブーシュで快適な1年を過ごしましょう。
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